夏 といやあ 其の1 「大穴子」

梅雨の雨吸ってうまくなるといえば 鱧
以前 紹介した 祇園の鱧ちらし
恋しくなるのは落ちハモの頃
ん?
なんでって?
脂の乗った肉厚を山椒の実の炊いたのがちらしになってる となったら落ちの頃かなと
って言い訳より
多分鱧の肝の時雨煮が熟れて(なれて)いる頃じゃないかとね。
それつまみにやりながら、鱧寿司できるのを奥で待ちたいのでしょうな。
そうなるとまだまだ時を待つ
そりゃ シャッシャと骨切りの音聞いて炭で皮さっと焼いて山葵でやるか
定番の落としを椀張ってもらって そのふんわりをいただくと
夏!
大体板場でシャッシャと聞くだけで 夏


魚で一番って聞かれたら 鮎! って答えるね
これも夏!

やばい
私は夏のもんが好きに気づいてしまったね
貝にしたって閖上の
ずんぐりした合わせ貝から血の滴るような赤貝
蛤の殻から啜るその瞬間
子供の頃夢中になった千葉の潮干狩り

この辺りはまた今度
今年の夏は暑く長そうですからね。

さて
長いもん と言ったらもう一つお江戸の奴は穴子
うなぎ うなぎ あの豊満なゴージャスな脂の色香はも一つ苦手だった子供の頃
ふわふわ だけど骨張って少し締まりのあるさっぱりとした穴子が気に入っていて

穴子の話は尽きないけれど
今回は 鐘崎漁港の大穴子 

朝からの健康診断から解放されて
ちょっと驚愕の数値に血圧も上昇し とある決意をしたのもどこへやら

蕎麦屋の暖簾をくぐってしまった

穴子の天麩羅 でしょう

穴子は鐘崎 肉厚でこりゃ上品ぶって箸で折るなんてできゃしない
いいね 横には柚子胡椒
その緑のせて
ここは箸でガシッとかぶりつく はふはふをつめたい冷で癒す
それにしても いやあでかい むっちりとした身
こりゃ馴染みの江戸前の柳腰とは様子が違うね
はふはふしながら 仕上げは天つゆに潜らせる
天麩羅となると下手したら身が痩せてると尻尾の方がささがき牛蒡みたいになっちゃうのでこのくらいのむっちりさなら負けないね
そしてこの一本で十分夏
蕎麦一枚軽めもやれるか位のボリューム

江戸前寿司でやるなら小降りがいいね
関西寿司で焼きしもならこんな大ぶりがいいね
などとつらつら頬の中で記憶をたぐる
それにしてもどうして美味しい記憶をたぐるとき 頭のすみじゃなく頬の奥をたぐるんだろうね。間違いなく記憶は頬にある

始まったね






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おりょう OwndBar

洒落程の解る方々のBarでありたい。 何者? 海外生活を経て 日本の文化を改めてリスペクト 。 懐石 茶の湯 歴史 着物…と進めると 元々大好きだったワインとあわせた「今様手すさび」懐石料理屋を 営む。 シガーからタウニーポートにご縁。全てにハマればハマるほど芋づるで興味果てしなく。 同時にその時次世代の鬱の多さに 今は幼児教育と英語を絡めたビジネス。 ロードバイクLoverでもある